
GTと聞くと、すぐに”グランドツーリング”を連想してしまうが、今回のGTとは”グリーン・ツーリズム”施設の略だ。
そのグリーン・ツーリズム施設とは、農家レストラン、農家民宿、農産物直売所、体験農園、体験型施設などを総称しているらしい。そのGT施設(今回は6カ所)をカーナビと紙の地図、いずれかを使って行き、その違いを検証するというもの。
発端は2007年末、私がいつも見ているCG(カーグラフィック誌)Web版にこのレポートが載っていたことに始まる。オリエンテーリングのクルマ版みたいで、なかなか面白そうだったし、実験地(ページ最下段の地図参照)が高知県西部という私の得意な(?)テリトリーなので応募し、見事モニターに選ばれたので参加したわけだ。
http://www.webcg.net/WEBCG/essays/e0000018060.html
以下にこの実験を主催している協議会の説明を転記しておこう。
《まちむら交流きこうは、現在、カーナビの事業者と共同で協議会を結成し、グリーン・ツーリズム(GT)の各施設(農産物直売所、農家民宿、農家レストラン、観光農園、廃校活用交流施設等)の位置情報を取得し、カーナビを通してドライバーに所在地情報を提供する事業(※1)に取組んでいます。
中山間地に多いGT施設は、その所在地がペーパー情報では分かりにくい箇所も多く、カーナビの地図上に目的地を表示することによりアクセスが容易になり、交流が拡大することが期待されます。》
2008年1月26日(SAT)曇り時々薄日あり、かなり寒い
東日本では寒波が来ていたものの、四国では心配していた雪や雨は大丈夫そうで一安心。
いつもは寂しい一人旅だが、今回は助手席にナビゲーターとして友人が同行することになった。目的地の半分はカーナビを使わずに地図だけで行く必要があるから、指示を出してくれる人がいるととても助かる。
先週の雨でドロドロになったままだったブライトン君を洗車してから、10時過ぎに自宅を出発。
愛媛県宇和島市からお馴染みの高知県梼原町経由で須崎市へ。
この企画のスタート地点である「かわうその里すさき」に昼過ぎに到着。
改めて今回の行程を表記しておこう。
スタート地点 |
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かわうその里すさき(道の駅) |
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アクセス方法 |
GT- 1 |
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黒潮工房(漁家レストラン) |
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カーナビ |
GT- 2 |
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わかしや(漁家レストラン) |
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カーナビ |
GT- 3 |
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おとり家(農家民宿) |
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地図 |
GT- 4 |
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北辰の館(体験施設) |
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地図 |
GT- 5 |
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みどり市(直売所) |
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地図 |
GT- 6 |
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かわせみ(農家民宿) |
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カーナビ |
終了地点 |
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あぐり窪川(道の駅) |
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相変わらずここは盛況で混雑しているため、昼食はすぐ横の施設で須崎名物「鍋焼きラーメン」を食す。うどんではないところが、ちょっと珍しい。
食後、先ほどの道の駅に戻りGPSレシーバーの電源を入れる。
約30〜40秒ほどで衛星をキャッチした。これから軌跡を記録されるわけだ。レシーバーは通信しやすいようにダッシュボード上に置いておく。
上に書いているように、まず最初の目的地は黒潮工房というところ。
指示されたマップコードをカーナビに入力すると、瞬時に行き先が表示された。ここから約15分となっているが・・・。
黒潮工房は黒潮本陣に隣接しているレストランで、どちらも海に突き出た小高いところにある。ここに行くにはトンネルを抜けて反対方向からぐるっと回り込むように行くのが正解なのだが、なぜかカーナビは手前の漁協に入る道を指示。
素直にその通りに進むが、もちろん行けるはずがないし、おまけにその先は行き止まりなので引き返すことになった。最初からこの調子では先が思いやられる。1カ所目でこの実験の意義が分かったような気がした。
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後ろが黒潮工房 |
こちらは黒潮本陣 |
さきほど昼食を取ったばかりなので、中には入らず外からチェックのみ。
この実験では目的地に到着後、評価報告書を記入する義務がある。報告書といっても行きやすかったかどうか、標識はあったか、またそれが役に立ったかなどの簡単なアンケートだ。
素早く記入し、写真を撮って次の目的地をカーナビに入力する。
2カ所目も同じく漁家レストランの「わかしや」というところ。
先ほどの黒潮工房からそれほど離れていない、にもかかわらず迷った。
目的地手前数百メーターまではカーナビの指示どおりに行けば大丈夫。だが、カーナビの案内はとてもクルマが通れないような細い路地を進めと言う。道のデータが現状と合ってない証拠だ。
画面に出る地図を自分なりに解釈して、迂回路を選択。これでやっと目的地に辿り着くことが出来た。
カーナビを使っての2件がこの調子では・・・おまけに次の目的地は地図だけで行かないといけないのだ。
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海沿いにある「わかしや」 |
アユ漁が始まれば盛況な「おとり家」 |
今度の目的地「おとり家」はここからちょっと離れている。
いったん、R56に戻りそこから松葉川温泉方面を目指す。交通量は少ないが、所々道が狭く、おまけにダンプが行き来するので通行には十分注意したい。
途中までは松葉川温泉の標識に従って行けばいい。だが、途中の分岐点で左に折れる(温泉はそのまま直進)必要がある。我々はそのまま直進してしまい、またまた迷った。
なんかこの実験をスタートしてからずっと迷っているような気がする。地元のおばちゃんに道を教えてもらいなんとか辿り着いた。
あとで確認したら小さな看板があったのを見つけた。頼むからもう少し大きな看板を出しておいてくれ。
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松葉川温泉隣にある「北辰の館」 |
予算に余裕があれば泊まりたかった |
おとり家はシーズンオフなので人の気配がない。代わりに大きな犬や猫が出迎えてくれた。私は彼らが苦手なので建物の写真を撮ってさっさと次の目的地に向かう。
次は蕎麦打ちの体験が出来る「北辰の館」だ。ここも地図で行くのだが、しつこいぐらい看板が出ている松葉川温泉の横にあるので、迷うことはないだろう。私たちはおとり家から出て逆の方向に行きかけたものの、途中でUターンし事なきを得た。目的地周辺になって迷わなかったのは、この旅が始まって以来初めてのこと。
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窪川町内にあるみどり市 |
今夜の宿となる「かわせみ」 |
次は地図で行く最後の目的地、みどり市だ。予定時間を大幅にオーバーして、日はかなり傾いている。明るいうちに宿に着きたい、急がねば。
みどり市は窪川町内にあるので、大きな看板が出ているわけではないものの迷いはしない。中に入って農産物でも物色したかったが、先述したように時間との勝負だったので見学は割愛する。次はいよいよ、最後の目的地民宿かわせみだ。最後のアクセス方法はまたカーナビなので気が楽だった。
高知県西部の施設6カ所を廻るぐらい、日帰りでじゅうぶん可能なのだが、冒頭で書いたように今回は友人が同行してくれているので泊まりを計画し、私が民宿を予約しておいた。泊まりなら酒も飲めるし!
ただ、忘れっぽい私は次の目的地「かわせみ」が、予約の電話をした宿と同じところだということに気が付いてなかった。
恥ずかしい・・・(^_^;)
かわせみは比較的簡単に見つけることができた。四万十川を挟んで対岸にある農家民宿だ。
単なる最終目的地だと思い込んでいた我々は、写真だけ撮らしてもらうよう宿のご夫婦にお願いしてクルマを停めた。
そこで数枚撮っているうちに「あれ?この名前、予約した宿では・・・」この時点でやっと思い出した次第だ。
改めて今夜の宿を予約した者だと告げて、いったん道の駅「あぐり窪川」に移動する。
道の駅がゴール地点なので先ほどの宿では終われないのだ。
宿泊地が見つかったのでもう気が楽。
急ぐことなく、とはいえもう薄暗いのでそこそこ急いでゴールのあぐり窪川に向かった。
ここでスタート地点で電源を入れたGPSレシーバーをOFFにする。
あとは感想などを書いたアンケートをまとめて、後日事務局に返送すればいい。
ついでなのでここで家族用のおみやげを買っておく。
先ほどの民宿に戻った時には、既に辺りは薄暗かった。
2008年1月27日(SUN)朝は快晴で冷え込み厳しい、のち曇り
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農家民宿らしい朝の風景 |
宿の2階からはこんな風景も |
正面にクルマを移動して記念撮影 |
昨夜はとても良い時間を過ごさせてもらった。
豪華絢爛ではないが、素朴で美味しかった料理。清潔な部屋や浴室。気さくなご夫婦との会話。こういうのを一期一会というのだろう。なんの予備知識もなく、ただ単に目に留まった民宿に電話を掛けただけだが、結果こういう良い出会いに巡り会えた。友人も気に入ってくれて一安心。
山の中だからか、それとも横の四万十川の影響か、朝の冷え込みはかなり厳しかった。
記念撮影のためクルマを移動させる時に見た外気温表示は2度!もっとも、体感的にはもっと低いような気がしたが。
名残惜しいがいつまでもおしゃべりをしているわけにもいかない。
美味しい朝食を頂いた後、宿をあとにした。
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帰路の途中、沈下橋にて |
中州地帯にある三嶋キャンプ場 |
途中、沈下橋にて記念撮影。いつもは一人なのでなかなか橋を渡っている写真が撮れないのだが、撮影を友人にお願いして貴重なショットが撮れた。
また、川の中州のようなところにある三嶋キャンプ場も見学した。やはりシーズンオフなので無人だったが、張り紙から想像するに管理人も常駐していないようだ。
この先にある道の駅「四万十とおわ」はこの土日、来場者が10万人目になる予定らしく、記念式典の用意がされていた。
事前に知っていた私は密かに10万人目を狙っていたが、そう都合良くならない。
同時刻に行われていた駅伝(ショートマラソン?)のゴール地点もこの道の駅だったせいで、かなり混雑していた。トイレとおみやげを買って、さっさと道の駅をあとにし、昼前には無事帰宅できた。
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