頑張れインプ! 24時間無料クーポン当選


連日35度近い気温が続く今年の夏。
先週は日本の観測史上初となる40.9度とかいう、信じられない最高気温を埼玉や岐阜で記録した。お盆が終わっても猛暑は続いている。どうなっているのか、この異常気象。
そんな焼け付くような平地から脱出するべく、2007年8月20日にスバルのインプレッサを駆って四国山脈へと登って行ったのだ。

愛媛県と高知県の県境 愛媛県と高知県の県境にて
この先のトンネルを抜けると高知県 奥に見える広域農道で姫鶴平に上がれる

そもそもなんでインプレッサなのか、そこんところから説明しないといけない。
このサイトを訪れるクルマ通の方なら、スバルのインプレッサがこの前フルモデルチェンジしたことは既にご存じだろう。ポルノグラフティ♪の曲が流れているTVCFを観たこともあるはずだ。

そのキャンペーンの一つで「新型インプレッサのレンタカー24時間クーポンプレゼント」というのがニッポンレンタカーであり、これに当たったのだ。だから車種は当然インプレッサで、グレードはレンタカーの定石通り一番下の1.5リッターとなっている。

ニッポンレンタカーのキャンペーン
ニッポンレンタカーのキャンペーン

新型インプレッサのグレード構成は
2リッターターボのS-GT
2リッターNAの20S
1.5リッターNAの15S
の3つとなっている。先述したとおり今回のグレードは1.5リッターNAだ。

24時間タダなので、直前までどこに行こうか悩んだが予算の関係もあってハッキリ決まらないまま、とりあえず四国山脈を目指すことにした。冒頭でも書いたが平地は恐ろしく暑いのだ。四国山脈に向けてというのは、高い山の上にでも行ったら少しは涼しいだろうという単純な理由に他ならない。

最寄りのニッポンレンタカーさんでクルマを受け取る。
レンタカーらしく(?)余計な装備は付いていない。ただ、今どきのクルマらしく(というより盗難や無断放置の時のために追跡できるよう)NAVIだけは立派なモノが付いている。ETCもあるが今回はたぶん使わないだろう。それより禁煙車だったのが嬉しかった。オドメーターがまだ2,000キロ弱のド新車だ。

ここ宇和島からは鬼北町経由で高知県の梼原を過ぎてそのまま津野町へ。いつものルートだ。

乗り始めて約1時間、何が一番気になったかというと一にも二にもパワーが(トルクも)ないので非常に走りにくい。それほどキツイ勾配ではないにもかかわらず、ちょっと気を抜くとすぐにスピードが落ちてしまうのだ。この時点でかなりストレスを感じている。

そこでアクセルを踏み込むと大袈裟なシフトショックを伴ってギヤーが一段落ちる(キックダウン)。メーター読みで3,500回転付近から唸るような轟音となり聞くに耐えない。でも、走らないから仕方なく踏み込む→車速が上がるとギヤーも上がる→轟音は収まるがまたすぐにスピードが落ちる→イヤだが踏み込む→また轟音が・・・の繰り返しですごく苦痛なのだ。

ドライバー一人の乗車でこの有様では、フル乗車したらどうなるのか。4ATのシフトをマニュアル操作したら少しはマシになるかと思って、Dの位置から横に倒してカコカコ動かしてみたが、ギヤーの固定はしないようで関係なかった。本当に1.5リッターの排気量があるのか?と疑ってしまうぐらい非力なエンジンだ。

動力性能をとやかく言うなら2リッターを選べと言われそうだが、平坦な道のストップ&ゴーもツライのだ。信号が青になってからの出足が非常に鈍いのでストレスが溜まる。踏み込み量が足らないのかと深々と踏んでみると、件の轟音が車内に充満しオーディオが聞こえない状態になってしまう。そんなにしても音の割にはスピードが出てないので始末に悪い。

ここからUターン 須崎へ向かう途中の道の駅

不満なのは動力性能だけではない。
この日も晴天で、午前中なのにすでに30度以上の気温になっている。当然、日差しも強烈なためエアコンの効きがイマイチ・・・と思ったが、冷気はちゃんと出ている。日に当たっている右手だけがジリジリ焼けているのが分かる。素ガラス?一応うっすらと色は付いているが、熱線反射型ではないようだ。今どきこんなガラスも珍しい。

帰路は西日に向かって走るようになったが、フロントガラスも強烈な熱線を素通しした。エアコンを強めにしても少しも涼しくない。このクルマで真夏を走るのはかなり勇気がいることだろう。

天狗高原に上がるのには津野町から左折して国道を外れるのだが、ここからの傾斜は国道の比ではない。場所によっては8〜10%の勾配となる。先述したように国道の勾配でさえ息絶え絶えだから、ここでの走りっぷりは想像に難しくないだろう。拷問のようなキックダウンと轟音の嵐で、国道から1キロも走らないうちにイヤになってUターンした。山頂までとても我慢出来るレベルではなかった。

この先、出来るだけ勾配の緩いルートを選ぶことにした。
同じ道を引き返すのも面白くないので、須崎まで降りることにしよう。登りと違って下りは快適だ。Dの位置から右に倒しマニュアルモードにして3速、あるいは2速まで落とすとエンジンブレーキを有効に活用出来るのだがそのシフト操作がしやすい。パドルシフトも有効な装備だが、この従来のフロアシフトだけでも十分だろう。

ターボ車などのスポーティグレードと違って、履いているタイヤが15インチのせいなのか乗り心地は良い。ロープロファイルタイヤのゴツゴツ感がなく、加えてサスペンションの出来の良さがいい具合に相乗効果になっているのだろう。スバルのクルマは軽からレガシィまで足周りにはお金が掛かっている。

道の駅四万十とおわ 道の駅四万十とおわ裏にはこんな風景が
高知県にある道の駅四万十とおわ 四万十とおわの裏にはこんな綺麗な風景が

室内はこの車輌の大きさからすると妥当か。
(全長/全幅/全高 4415 / 1740 / 1475)
ただ、後席は座る場所が低い位置にあり乗り降りがしにくいと感じた。インテリアの質感は可もなく不可もなくといったところか。T社のようなクラスを越えた豪華絢爛さを求めてはいけない。

燃費はこんなエコモードで走りながら、11,7キロ/gと誉められた数値ではない。同じ走行条件で比較しないとわからないが、トルクのある2.0リッター車のほうが省エネになるだろう。

結局、帰路は須崎から窪川〜大正〜十和〜西土佐〜愛媛県松野町という平坦なルートになった。平らな道を巡航スピードで走る限りは快適だったことを付け加えておこう。

これからインプレッサを検討している人にはターボ車(250馬力)とまでは言わないが、少なくても2.0リッターのNA(140馬力)をオススメする。坂道や信号ダッシュでNAの軽自動車に置いて行かれるのは我慢できても、しつこいぐらい繰り返される4ATのキックダウンは致命的な欠陥だと言わせてもらおう。マイナーチェンジ時と言わず今すぐにでも5AT、もしくはCVTの搭載を強く望みたい。

現車オーナーには申し訳ないが、私のこのクルマに対する”がっかり度”は星3つだ。期限の24時間どころか、実質8時間ほどでクルマを返却してしまったことからもそれは容易に推察してもらえるだろうか。頑張れインプ!スバルのファンの一人として声援を送りたくなった。

だがどうしても(保険や税金のために)この1.5リッター4AT車を選ぶというのなら
1.傾斜のない平坦な道路だけ走る。
2.信号や一時停止のない道を走る。
3.日差しが強い日は乗らない。(夏期厳禁)
以上の条件をクリアー出来ることを確認してから購入されるように・・・。


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