ボーン・レガシー | 哀しき獣 | デンジャラス・ラン | トータル・リコール | |||||
プロメテウス | テイカーズ | ダークナイト・ライジング | 顔のないスパイ |
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今回は、マット・デイモン主演で世界的にヒットした”ボーン・シリーズ”のスピンオフ作品「ボーン・レガシー」を、公開直後にお約束のレイトショーにて鑑賞したのでご紹介しよう。 「ボーン・アイデンティティ」から始まったボーン・シリーズは極めて優秀な作りだ。 このコーナーで何度も言っているように”シリーズものは初回が一番面白い”の法則のとおり、記憶喪失で海を漂流していた所から始まる物語は、その後のハラハラさせる展開で観客を飽きさせることなく、なおかつ、破綻しないストーリーで次回作に繋げていくという王道の作り。まあこれも、原作がしっかりしているおかげではあるが・・・。 そんな一作目のヒットを受けて二作目の「ボーン・スプレマシー」三作目の「ボーン・アルティメイタム」と続く。シリーズものによくある”右肩下がり”の現象は、このシリーズに限っては当てはまらず、ハイテンションのまま綺麗なフィニッシュを決めた感がある。もし今回の「ボーン・レガシー」を観てガッカリされた方には、是非ともこの三部作のほうをオススメしたい。 先ほど書いたようにこの作品はスピンオフであり、時系列的に物語はジェイソン・ボーンと同時進行している。なので、これ単品でご賞味頂いてもいいのだが、例の「トレッド・ストーン計画」だの「ブラック・ブライアー計画」といったキーワードが至る所に出てくるので、やはり三部作で予備知識は仕入れておく必要があるかもしれない。 ストーリーとしては、主人公のアーロン・クロスが研究所で働いていた女性博士(ハムナプトラでヒロイン役を演じていた)を連れて、マニラくんだりまで薬を取りに行くというだけ(笑)なにせ、そこまでの展開がグズグズして遅い! 唯一と言ってもいいほどの見せ場は、そのマニラで情けない殺し屋(プレデターズで日本刀で闘った東洋人)と、うじゃうじゃ出てくるフィリピン警察との三つ巴のアクションシーンぐらいか。ただ、個人的には「〜・スプレマシー」のラストで演じたイエロータクシーとメルセデスのゲレンデヴァーゲンの迫力あるカーチェイスには遠く及ばない印象だったが。 ボーン・〜と付いてはいるが、三部作とはまったく別物として観よう。星1つ のただのガッカリスパイ映画だ。 |
今回の「哀しき獣」は「アジョシ」(シネマのページ9にて)に次いで、これでやっと2本目となる韓国映画だ。 北朝鮮とロシアに囲まれた中国領、延辺朝鮮族自治区というところに住む、いわゆる韓国系中国人に焦点を当てているのが珍しい。主人公のグナム(ハ・ジョンウ)はそこでタクシー運転手として働いているものの、博打にどっぷりハマった生活は日に日に自分の首を絞めていく悪循環。妻は子供を実家に預けて韓国へ出稼ぎに行っているが、出国の際に前借りした借金6万元を返すための送金どころか音信すらない。浮気か?いや、自分と子供は捨てられたのか?悶々とする毎日。 そんな彼を見てミョン社長という男(←彼こそ獣のような存在だ!)が、韓国に行って一人殺してくれば借金は帳消しにしてやる、妻にも会ってこいと持ちかける。悩んだが、今の彼には他の選択肢はない。密航船で韓国に入ったグナムは、標的の男の生活パターンを調べることから始める。 ここまでの流れからすると、この後ほぼ100%近い確率で裏切りがある。暗殺を成功した後、残金をもらってハッピーエンド・・・なんてストーリーなど映画にならないからだ。この作品でもお約束通り、グナムは裏切られる。ただ、ここからの逃亡劇、反撃がハンパない。 この作品で異色なのは冒頭に書いたように、主人公が韓国系中国人(何度も朝鮮族という表現が使われていた)であることと、こんなバイオレンス映画なのに銃器の類がほとんど登場しない点だ。記憶に残っている銃撃戦といえば、逃走中のバスで警官隊に囲まれた時ぐらいか。それも警官を撃ったのは同じ警官だったけど。 余談になるが、全編を通して暗く重いトーンで物語は進行していくのに、唯一コミカルなシーンはこの警察が出てくる所に限られている。お粗末過ぎる包囲網、間抜けな逮捕術、陳腐な台詞など、監督のナ・ホンジンという人はこういったシーンをわざと盛り込むことで警察に対するメッセージ(一種の中傷?)を発信しているのではないかと、勘ぐってしまうほどだ。 では、機関銃もショットガンも出て来ない代わりに何が道具となっているのか。それはハリウッド映画で出てくるようなオシャレ?なナイフではなく、ずばり包丁!&斧!それに肉が付いたままの骨!だから余計にバイオレンス度が凄い。頭を打たれて脳みそが飛び散らない反面、ドクドクと血がしたたり落ちる。こういうシーンが苦手な方はご注意を。 末路はさすがにかわいそうだったな〜グナム、列車から降りる奥さんのシーンを含めて。 上映時間は140分。要所でスパイスを効かしているおかげで中だるみは感じなかったけど、後半で人間関係がややこしくなって「えっ誰?こいつら」みたいなことはあった。(注:DVDにはそういった人向けに一目で分かる人物相関図というのがサブメニューにある)そういった些細なマイナス点を考慮しても「アジョシ」同様、高いレベルにある韓国映画の中でも 星3つ の秀作としたい。 ちなみに原題は「The Yellow Sea」書いて字のとおり中国と韓国の間に広がる”黄海”のこと。なぜ黄海なのかは、この海が物語の上で重要なファクターになっていることが前半部分から十分に伝わってくるし、特にラストシーンを観れば納得できるだろう。いつも邦題に文句を付けている私だが、今回はこの「哀しき獣」はナイスなネーミングだと脱帽した。 |
どうもここ最近、劇場作品のオモシロ度合いが低い。予告編はすごく期待させてくれるだが(笑) 今回は、今やシドニー・ポワチエを超える黒人俳優の大御所となった感のある、デンゼル・ワシントン主演のスパイもの作品。この低調な流れを一気に吹き飛ばしてくれるのか! 邦題は「デンジャラス・ラン」という、まあこの作品を観た後に頭に浮かんだ単語を素直に並べただけのような、ヒネリも何もない題名だ。原題の「SafeHouse」のほうが良かったのでは?というのも、「セーフハウス」とは文字どおり隠れ家を表す隠語。 南アフリカのケープタウンにあるセーフハウスを管理している若きCIA職員マット。管理人と言っても主な仕事は電話番ぐらい。退屈な毎日に嫌気が差してパリ支局への転属を希望している。そこに突然、伝説の元CIAエージェント「トビン・フロスト」(デンゼル・ワシントン)が護送されてくる。彼に対する尋問が始まって間もなく、極秘のはずのセーフハウスが重装備をした一味の襲撃される。フロストを連れて逃げるマット。無事に逃げ切れるのか、また誰が秘密を漏らしたのか。 冒頭から映像はわざと古ぼけた加工をしている。それはそれでいいのだが、例の手ブレカメラワークが鼻に付く。はっきり言ってクドイ!手ブレにしたら臨場感が増すのはわかるが、多用すると映像が安っぽくなってしまう。 売りのはずのカーチェイスやアクションもフロストが米国総領事館に逃げ込むまでは期待大だったが、その後は同じようなトーンで繰り返されるから盛り上がりを感じない。 スパイ映画に欠かせない裏切り者の設定も、大方の予想どおり。 世界36カ国から指名手配を受けていながら逃げおおせているという設定なら、もっと頭脳戦を駆使した狡猾な逃亡劇を見せてくれるのかと期待したが、ありきたりの、それも南アフリカという舞台にこだわったせいで、全体的にこじんまりまとまってしまった感がある。このへんが「ボーン・〜」シリーズとは決定的に違う点だろう。 とどめの一撃はラストの、なんともスカッとしない(どっかで見たような)終わり方。 デンゼル・ワシントンといえばアカデミー主演賞を受賞した「トレーニング・デイ」が有名かも知れないが、個人的には原潜という限られた空間でジーン・ハックマンと息詰まる争いを描いた「クリムゾン・タイド」や、過去に逮捕したサイコ野郎に追い詰められて人格が崩壊する様を熱演した「リコシェ」などがオススメだ。近年はどうも良い作品に巡り会ってないような気がする。 ということで、残念ながら今回も予告編だけなら星3つ、でも本編は 星1つ という、お粗末な結果となってしまった。ここはひとつ、近日公開予定の「ボーン・レガシー」に期待しよう。 |
前回、残念な結果に終わってしまった「プロメテウス」の中で書いたように、今回は延期していた「トータル・リコール」を観に行ったのでご紹介しよう。 今回は評価が難しい。というのも、ご存じシュワちゃん主演で1990年に製作された「トータル・リコール」のリメイク作品として観るなら星ゼロがいいところだ。映像は格段の進歩があるものの、肝心の内容がまったくダメだから。 だが、見方を変えて(題名を変えて)普通のSFアクション映画としてなら何とか星2つでも許せる出来ではある。迷った挙げ句、以前のシュワちゃん版があまりにも良く出来ていたのでここは厳しく 星1つ にしたい。 (余談だがこの後、シュワちゃん版がまた観たくなってレンタル店に行ったら全て貸し出し中だった。みんな、そう?) 今回の舞台は火星ではなく未来の地球。それも化学戦争で荒廃した世界という、SF映画にお決まりのパターン。 労働者達が住むオーストラリア大陸から毎日、巨大エレベーターで地球のコアを抜けてイギリス(と見えたが)まで働きに行くダグ。気晴らしに行ったリコール社で、記憶が書き換えられたことが分かった途端に警察隊に包囲される。知らない間にバッタバタとやっつけて、家に帰ると今度は奥さんに殺されそうになる・・・まあこの辺は大筋で一緒か。 途中、アクションに次ぐアクション。特に、道路の表裏を磁力?で走るクルマでのカーチェイスはいいアイデアだと思ったし、前後左右上下に動いているエレベーター抗での挟まれ恐怖感もよく出ていたと思う。ただ、アクションに緩急がなく、垂れ流し感を与えていることは否めない。 前回はエイリアンの作った装置を起動させて、火星に酸素を充満させることが出来てハッピーエンドとなったが、今回は同じ地球でどう終わらせるのか。ここは書かないでおこう。ただ、前回結構な役割を担ったミュータント達が出て来ないのが残念。その代わり、税関で「二週間よ」という、例のオバちゃんはしっかり登場するけど。 今回の作品を観て、改めてリメイク作品って難しいなと感じた。 先述したように、未来型カーチェイスや巨大エレベーターの内外などの映像は、今どきの作品らしく素晴らしい。ただその反面、未だに「ブレード・ランナー」の呪縛が解けないのか、雑踏の町並みは漢字の看板があり、提灯がぶら下がって、暗く雨が降っている・・・アジア圏のどっかの町並みを西洋人がイメージしたらみんなこんな風な映像になってしまうのかと、非常に残念だった。 最後に一言、舞台は地球じゃなくても良かったんじゃね? |
今回は先行上映で、公開前の「プロメテウス」を観に行った。3D版は吹き替えになってしまうので通常の2Dにて。 コレ、以前に劇場で予告編を観てからずっと気になっていた作品だった。だからほぼ同じタイミングで公開になった例の「トータル・リコール」よりも優先して観たのだが・・・最初に言ってしまおう、素直な感想は「残念だった」と。 テーマはずばり「人類の起源」を謳っている。だから誰でも作品中でそれが解明されるんじゃないかと期待するでしょ?でも、その答えだけなら冒頭の10分ほどで十分ではなかったのか。極力ネタバレにならないように注意して書くが、自分のDNAを地球に残すために、わざわざ意味不明な液体を飲んで死なないといけないのか。 この後、宇宙船プロメテウス号は古代遺跡に残されたサインが招待状だと言い切る科学者の戯言だけで、どっかの惑星くんだりまで2年以上もかけて航海させられて、宇宙人?の基地みたいな所を探索するのだが、この後の展開はもうツッコミどころ満載で、逆に楽しくなってくる。 時代設定が2093年なのに拳銃みたいなものと火炎放射器だけが武器というのも情けないし、一応科学者だという設定のクルー達は人類が初めて遭遇する生物に対して、犬や猫と同じような接し方をしているし(←ありえないやろ!)、大層な登場の仕方をした社長は念願の宇宙人に遭遇後数秒であっけなく殺されちゃうし。 いや、そもそも宇宙人といえば、腹部をザックリと切開後ホッチキスの針のようなもので止めただけで、すぐにそんなに走れるのか?そういう意味では主人公のキミが一番宇宙人っぽいぞ。プレデターかよ!私なんて盲腸の手術でほんの数センチ切開しただけで、死ぬかと思うほど痛かったのに。 といった具合に、次から次へよくもまあくだらない脚本が企画段階でNGにならなかったな、と感心するばかり。トドメの一撃は、文字どおり宇宙船に一撃を加えるプロメテウス号の行動だろう。なぜカミカゼ特攻隊?そこまでして無理矢理1作目に繋げたかったのか。 1作目?そう、ネタバレになるがここだけは書かせて欲しい。これは同じリドリー・スコット監督の「エイリアン」へと続くストーリーとなっている。だから「エイリアン・ゼロ」や「エイリアン・エピソード1」とかになるのか。正確に言うと舞台となる惑星は別らしいが。 そういう予備知識なしで観ていても、白蛇のような生物が口から侵入するシーンや宇宙人の操縦席がまるで高射砲の台座みたいに作られているところなんて、初代エイリアンで描かれたシーンを思い出すことだろう。 こんなツッコミどころ満載の大作も近年珍しい。先述したように他の作品を我慢してまで鑑賞した2時間、久々の星ゼロにしようかと思ったが、2Dながらその映像は素晴らしかったし、怒った顔も美しいシャーリーズ・セロンとアンドロイド度満点の演技力のマイケル・ファスベンダーに免じて 星1つ に格上げしよう。 最後に余計なことかも分からないが、妊婦さんや近いうちに出産を考えている人は観ないほうがいいと思う。 |
今回はあのアナキン・スカイ・ウォーカー役の俳優も出ている「テイカーズ」という作品をご紹介しよう。 ストーリーの前にこの作品は”スタイリッシュ・クライム・アクション”とコピーが付いている。クライムアクションはよく聞くが、スタイリッシュとはナンぞや。上の画像からも分かるように、ブランドモノのスーツをビシッと決めているから?いやいや、本当は最後までスタイリッシュに物語を進行させたかったのだろうが、残念ながらそれは前半までだった。 前の仕事から一年以上は間隔を空けるという、彼ら5人の独自のスタイルがある。 これには”ほとぼり”を冷ますというのと、次の仕事への入念な計画を立てる時間が必要だということを示しているのだろう。 で、冒頭から銀行強盗のシーンに入る。ここらへんはお見事。綿密に計画したことを観客に印象づけ、かつ、人を傷つけずに大金を手にする。ただ、細かい点を指摘するなら「ヘリ待ち」は運に頼ってないか?(もちろん間違いなく着陸するという読みがあったのだろうが・・・でないと逃走ルートは?) スケールとしてはかなり小さい印象を受けるものの、私が絶賛する「HEAT/ヒート」(シネマのページ8を参照)に近い流れを感じさせた。 以前に彼らと一緒に仕事をやって、自分一人刑務所に送られたゴーストという人物が出所してくる。 元の仲間に現金輸送車襲撃の計画を持ちかけるのだが、決行の日まで数日しかない。先に書いたように、一年以上空けるという彼らのスタイルを崩して、その計画に取り掛かる。無事に成功するのか?終始インパクトの弱い描写になってしまっている刑事の追及は? 惜しいかな後半は”スタイリッシュでない”だけでなく、至る所にほころびが目立つ作りになってしまっている。この後半部分だけでも手直しして作り直そう。特に兄弟が二人揃って、銃を構えた警官隊に向かっていくシーンなんていうのは、いの一番に削除するべき箇所だ。「明日に向かって撃て」のブッチとサンダンスをイメージさせたかったのだろうが、涙を流しながら復讐を口にしていた直後なのに、ほぼ自殺行為ともいえるシーンはまったく話しが噛み合わない。 まるで前半と後半は違う監督が撮ったのか(それとも違う脚本家が書いたのか)とも思えるほど、他にも後半部分だけで沢山ダメ出し箇所がある。にもかかわらず 星2つ となっているのは、比較的良く出来たと思われる前半部分と作品中に幾度となく出てくる黒のレンジローバーヴォーグが単純にカッコ良かったから。 クルマに、それもレンジに興味のない人にとっては星1つの評価が妥当だろう。 |
いや〜待ちました。待たせて頂きました(笑)、今回の「ダークナイト・ライジング」 公開初日とはいえ、レイトショーであれだけ観客がいたのは初めてだった。それだけファンが多いということか。 題名だけ聞くと知らない人にはピンと来ないかも分からないが、アメコミの王道「バットマン」の映画化三部作の最終話になる。1作目は「バットマン・ビギンズ」2作目が悪役ジョーカーの存在が有名だった「ダークナイト」そして今回のこの作品。クリストファー・ノーラン監督と主演のクリスチャン・ベイルのコンビで作るバットマンもこれで最後とのこと。あぁ勿体ない。 冒頭から「007シリーズ」ばりの派手なアクションから始まる。でも、そんなことはこの後にゴッサム・シティで起こる悲劇に比べれば、ほんの些細な逃亡劇に過ぎないところが大作たる所以だろう。 物語の設定は前作から8年後となっている。マッドマックスに出てくるような(個人的には北斗の拳に出てくる悪役に見えたが)不気味なマスクを装着しているベインという悪役が登場する。バットマンとして自ら罪をかぶって姿を消し、表の顔である大富豪ブルースとしても表舞台から退いた彼にとって、その敵はとんでもなく凶悪で強かった。 彼と素手で殴り合うが、バットマンには以前のような無敵の強さはなく、まるで「ロッキー3」で野獣のようなクラバー(特攻野郎Aチームに出てくる飛行機嫌いのモヒカンだ)にボコボコにされるロッキーの如く、まともに立つことも出来ないほど完璧にヤラれてしまう。おまけにどっかの牢獄に放り込まれるし・・・。 バットマン不在のゴッサム・シティは略奪と恐怖の嵐が吹き荒れる。橋は爆破されて街は孤立し、中性子爆弾の爆発が刻一刻と迫ってくる。復活するのかバットマン!劣勢の彼と警官隊に意外な味方が・・・。 今回もバットモービルは出てくるが、あっさり敵側に略奪されてしまう。代わって活躍するのがバットと呼ばれる垂直離着陸戦闘機だ。もちろん、欠陥品との呼び声が高い例の「オス○レイ」みたいな不細工ではなく、これがまたカッコイイ。自動操縦もあるし・・・ね。それに今回は主にキャットウーマンが乗るバットポッドも健在だ。バットマンシリーズにはこういったワクワクする乗り物が登場することも楽しみの一つだ。 ラストの展開はネタバレになるので書かないが、上映時間が164分もあるのに最後の20分ぐらいにいろんなことを詰め込みすぎたか?それに、これ単独で観てもじゅうぶん楽しめるが、物語の結末を理解するにはやはり前2作品を観てからのほうがいいだろう。 あれだけ待ちに待った当作品、本来なら文句なしに星3つが妥当だが、期待度が高すぎたせいか、それとも前作のダークナイトがあまりにも良く出来すぎていたためか、今回は残念ながら 星2つ としよう。 でもご安心を。ほら、ラストシーンでは新しいバットマンが・・・彼のバットマン登場まで星3つは保管しておこう。 |
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リチャード・ギヤという俳優さんは、その甘いマスクと「愛と青春の旅だち」や「プリティ・ウーマン」などの作品でよく知られていることから、軟派なセクシー俳優とイメージされている方が多いのではないだろうか。 たしかに「HACHI/約束の犬」で見せた(注:私は予告編しか観てないが)秋田犬のハチを溺愛する姿からは、セクシーさはなくても全身から”いい人っぽいオーラ”は出ていたように思う。コミカルな西洋人版寅さんもTVCFで演じているし・・・。プライベートではチベット仏教徒らしく、そういった面も間接的に影響しているのかも知れない。 そのギャップの大きさからか、今回ご紹介する「顔のないスパイ」やブルース・ウィルスとの共演で話題なった「ジャッカルの日」といったシリアスな役柄でも渋くてカッコ良いイメージが伝わってくる。もう還暦を過ぎているそうだが、格闘シーンや全力疾走なども軽くこなしているように見せているのはさすがだ。 邦題は「顔のないスパイ」という、まったく安易なタイトルで原題の「ザ・ダブル」でも良かったのでは?と思わせるのは、その要素が物語の展開上、重要な結果に繋がるからに他ならない。 ストーリーとしては先述の「ザ・ダブル」から想像できるように典型的なスパイ映画だ、それも二重スパイってやつ。 20年以上も足取りが掴めなかったため、既に死亡しているものとされていた謎の大物スパイ”カシウス”が再び活動を始めたらしい。それを追って若きFBI捜査官とコンビを組むのがリチャード・ギヤ扮する元CIA諜報員。 捜査を進めていくうちにFBI捜査官にはある疑問が・・・そしてその捜査官自身にも重大な秘密が! この種の作品で先にネタをバラしてしまうぐらい愚かな行為はないため、もうこれ以上は書かないが、全体的にはよく出来た作品だと感じた。ただ、あっと驚くタメゴロォ〜、ではなく、あっと驚く急展開とか驚愕の事実というのは・・・ない。大方、こちらが予想したとおりの展開で物語は進んでいく。そのため評価は 星2つ としたい。 ラストのシメ具合は賛否両論あるだろう。私は敢えてモスクワ行きの飛行機に乗る、という選択肢もアリかとも思えたが、このあたりが家族愛を全面に出してくる米国映画たる所以なんだろうな、きっと。でも、そのくせ離婚率は高いけど。 リチャード・ギヤばかりスポットが当たっているが、CIA長官役のマーティン・シーン(ご存じチャーリー・シーンのお父さん)にもご注目。かなり年を取ってしまったけど、未だに「地獄の黙示録」の強烈な映像が蘇るだろう。 |