シネマのページ 6

RED ブラッド・ダイヤモンド  アーマード武装地帯  ジェリコ
 ソルト  インセプション  プレデターズ  FRINGE フリンジ 
ページ 1 ページ 2 ページ 3 ページ 4 ページ 5 ページ 7 ページ 8 ページ 9 ページ 10 ページ 11 ページ 12  戻る 



RED

★★

今回は封切り間もない時期に観に行った「RED」という作品だ。
まだ上映中なので詳しいストーリーは書かないが、まあ何とリアリティのない映画だろうか!
でも、ちょっと面白かった。 星が2つ 付いているのがその証拠。

元CIAのメンバーが陰謀に巻き込まれて、その謎(というほどでもないが)を解き明かすべく、襲ってくる敵(CIAという設定)と戦いながら、あっさりとCIA本部の建物内に侵入してしまう。そこで見た資料には・・・。

いや、そんな設定より理屈抜きで楽しめる作品だ。
ブルース・ウィルスにモーガン・フリーマン、ジョン・マルコビッチなどとてもキャラの濃い俳優陣が出ている割に、よくあるオールスター的破綻映画になっていないところがお見事。なにしろ原作がコミック作品だから当然か?

だから気軽にアクションシーンを楽しめる。ちょっと気になる点がいくつかあったものの、全編を通して年寄りをナメるなよ!パワー炸裂で、一種の爽快感さえ味わえることが出来た。
欲を言えば人生の先輩らしく、力には技を、大きさには知恵を用いて相手を翻弄させる場面がもっと多かったら、ひょっとすると星は3つだったかもしれない。

残念ながら途中で彼は死んじゃったけど、そこはコミックの良い所で次回作で復活させてもらって、ぜひ続編を作ってもらいたい。いや、シリーズ化するのも面白いかも。
でもこういう作品って、評論家のセンセイ方には絶対ウケないんだろうな、きっと。




ブラッド・ダイヤモンド

★★★

今回紹介する「ブラッド・ダイヤモンド」はディカプリオファン待望の恋愛モノでもなく、帯に書かれているようなアクション一辺倒なモノでもない。
はっきり言って、とても悲しい作品だ。そこのところを最初にお断りしておこう。

1999年、アフリカのシエラレオネ共和国というところが舞台。アフリカ生まれの白人で元傭兵というのがディカプリオの役どころ。いつもの「いい人」ではない設定が重要なポイントだ。今の生活に、ほとほと嫌気が差している彼はダイヤの密輸で何とか一山当て、このアフリカを出て行きたいと思っている。

一方、真面目に生きてきた漁師ソロモンの村にある日、反政府ゲリラRUFの襲撃があって彼の家族はバラバラになってしまう。ソロモン自身は政府側に投票しないようにと、片腕を切り落とされる直前で難を逃れ、代わりにダイヤ採掘場での労働を強要させられる。そこでたまたま巨大なピンクダイヤの原石を発見した彼は、ゲリラに見つからないように近くに埋めて隠す。

そのピンクダイヤを手に入れて人生をやり直そうという男と、バラバラになった家族を探そうとする男が、反目しながらお互いの目的のために協力し合う、というのが全体のストーリーだ。

たしかに元傭兵という設定上アクションシーンも多々あるし、美人ジャーナリスト役のジェニファー・コネリーとのほのかな恋話もある。だが、それ以上に子供を麻薬で洗脳して少年兵に仕上げたり、ダイヤの原石をちょろまかそうとした作業員を躊躇せず射殺したり、先述したように投票できないようにするためだけに腕を切り落とされたりと、かなりショッキングな映像があるので、世界残酷物語の雰囲気が強くあるのは否めないだろう。

詳しい結末は書かないが、冒頭に書いたようにとても悲しい気持ちになる。
「このような悲劇を繰り返さないためには白人女性がダイヤに興味を持たないようにすれば」という件があるが、現実的にそれは無理だろう。問題の根本はもっと複雑で根深いものだと感じたが、これを観た貴方はどう思っただろうか。

最後に、「ハムナプトラ」でイムホテップ役を演じたアーノルド・ボスロー、本作品中では傭兵部隊のコッツィー大佐がディカプリオに砂をすくいながら「アフリカの大地が赤いのは血の色だから」というシーンが印象的だった。この作品を見終わったらその意味が少しは分かるだろう。
143分もの長編だが途中で飽きさせない出来に久々の 星3つ を。




アーマード 武装地帯

☆☆

このDVDのページ、当然ながら観た作品をすべて載せているわけではない。
出来るだけ面白かったものを紹介して、他の人にも楽しんでもらおうという気持ちが根底にある。言い換えればオススメ作品のコーナーでもあるのだが、逆にこんな作品にはお金を払うのが勿体ないですよ〜という、恩着せがましい警鐘を鳴らせてもらう意味で掲載する場合もたまにはある。

今回紹介する「アーマード 武装地帯」星に色を付け忘れたわけではなく、まさに後者にズッポリ当てはまる。

いやはや、なんとも強烈な作品なんだろうか、違う意味で。
普段、アーマード・トラック(装甲現金輸送車)で現金輸送を行っている6人が、高額輸送の際にその4200万ドルを盗んじゃおうヨ、というお話。

その金額に対して計画はとてもずさん、というよりはっきり言って幼稚。
運んでいる金をいったんどっかに隠しておいて、その後警察には「襲撃犯に仲間を人質に取られたので仕方なく金を渡した」ことにするだと?誰がそんな与太話を信じるんだ。

閉鎖された製鉄工場みたいな所に現金を運び込んだまでは良かったが、そこにいたホームレスに目撃されたためアッサリ射殺。これをきっかけに渋々仲間に加わった一人の裏切りが始まってドタバタ劇の始まりはじまり〜!

俳優陣はマット・ディロン、ローレンス・フィッシュバーン、ジャン・レノなど豪華。でも、こんな脚本なら無名な(安いギャラの)俳優を使ったほうがよかったんじゃないの?特にジャン・レノ、台詞らしい台詞もなく、「レオン」とかで見せた圧倒的存在感がまったくない。よく出演をOKしたものだ。

評価を書くのも気が進まないが、久々に 星0 だ。

アーマードの一場面、金を隠すも・・・




ジェリコ

☆☆

今年の8月は観測が始まって以来、百数十年のうちで一番暑かったらしい。
百年前の気候は知らないが、たしかにこの暑さは尋常ではない。日中、外に出ようという気さえ起こらないのだから。ただ、唯一の救いは、ここは都会と違って夜になれば涼しい風が吹いてくれることだろうか。

そんな記録ずくめの猛暑を言い訳にして、クルマのことはさっぱり手つかず状態だ。洗車も、辺りが暗くなる前のわずかなタイミングを見計らって、ささっと済ませているほど。こんな酷暑には、下で書いたようにレイトショーに出掛けるか、家でDVD鑑賞でもしよう。

という訳で、恒例の海外TVドラマシリーズをご紹介。
題名にもなっている「ジェリコ」というのはコロラド州の田舎町の名前だ。

ストーリーとしては、主人公のジェイクが故郷ジェリコに帰ってきた日に、デンバーのほうで巨大なキノコ雲が立ち上るのを見た。事故か事件か、はたまた他国からの侵略行為か。何が起こったのか調べようとするが、通信インフラは崩壊し憶測だけが先走りする。水や食料や燃料の確保、略奪者への対抗策など次から次へと問題が起こる。
また、爆発直前にこの街に越してきた元警官だというホーキンスは味方か、それともこの騒動の一味か?

というふうに、サバイバルサスペンス劇場として作っているが、かなりドロ臭い人間模様も織り交ぜていることもポイントの一つだろう。ただ、小さな田舎町の中だけでは、ストーリーの展開に限界がある。近くの街に出て行ったりして幅を広げようとしているのは分かるが、それも大きな効果にはなっていない。なので、はっきり言って飽きる。

全29話あるらしいが、私は10話ぐらい、レンタル店でいうところの5枚目で飽きた。
同じようなトラブルが起こって、同じような人が活躍して、想像したとおりの終わり方で・・・それの繰り返し。物語の設定上仕方ないが、どうしても終始閉塞感が伴ってしまう。
よって評価は星1つというところが妥当だろう。

それと最後にこれだけは言わせて欲しい。キノコ雲を見て、電話が不通でTVも映らず、放射能の雨が降る、そんな非常事態によくもバーで暢気に酒を飲んでるな、アメリカ人。




Saltの一場面、この時にはまだスパイだと疑われていない

★★

今日は立秋、暦の上では夏の終わりだが、この酷暑はまだまだ続きそう。
熱中症で亡くなる人が続出するような、そんな炎天下には外出を控えて、料金が安くて空き席がいっぱいあるレイトショーに出掛けよう。
ただし、クルマに付いた虫の死骸の掃除には閉口するが・・・。

下の「プレデターズ」と「インセプション」の2連敗に懲りて、しばらく映画館行きはおあずけかと思ったが、予告編を観て興味を持った「ソルト」に行ってきた。そう、そのレイトショーにて。

ストーリーはずばりスパイもの。
その時が来るまで何年も何十年も正体を隠し、指令があれば己の命を犠牲にしても任務を遂行する、ドライな現代には想像しがたい生き方をしている彼ら彼女たち。昔の日本で言うところの”草”的存在だろう。

アンジェリーナ・ジョリー扮するCIAエージェント、イヴリン・ソルトは「北」に捕らえられていたが捕虜交換によってアメリカに戻ってきた。ここがこの先、彼女の行動を推測できるポイントになる。

アメリカ副大統領の葬儀に参列したロシア大統領の暗殺が彼女の任務。子供の頃からロシアでスパイの訓練を受けてきた彼女らがなぜ自国の大統領暗殺を?ネタバレになるので書かないが、真の目的はそこだったのかと後で分かるようになっているから心配なく。

優秀なCIAエージェントがスパイだと疑われて身内から追われるシーンや、厳重な警戒網を破ってロシア大統領に近づく手段、捕らえられてもすぐに逃げ出すところなど、アンジェリーナ・ジョリーファンにとってはたまらない作りとなっている。あんなきゃしゃな体でよくもまあハードなアクションシーンが出来ることと、感心してしまう。

では、評価は満点だったかというと残念ながらそうではない。
スパイは彼女だけでなく他にもいるのだが”絶対コイツ怪しい”と思うヤツがそのまんまスパイだったりして、スパイものによく見られる大ドンデン返しがなかった。
それにラストシーンで逃げ出す件は、ちょっと無理があるぞ。続編への布石か?

という、若干のマイナスポイントがあるものの、暑い夏の夜に十分に楽しめた。これなら人に勧めても後悔しなくて済むだろう。よって星3つにわずかに届かない 星2つ というところでいかがだろうか。

ロシア大統領暗殺に成功するも投降して連行される




Inception

☆☆

今回も最近封切りされた映画「インセプション」だ。下のプレデターズに続いて、映画の感想になっていることをお断りしておこう。

ストーリーは・・・結局よく分からない(笑)

簡単に言うと、眠っている間に人の頭に入り込みアイデアを植え付ける(インセプション)というもの。依頼主が渡辺謙でレオ様が仲間を集めてその任務を遂行するという、ただそれだけ。ストーリーの流れの中でレオ様の奥さんが再三登場してくるが、最後まで意図するところがよく分からなかった。

それよりも、この作品の見所はストーリーではなくその映像だろう。

だからこの作品はDVDで観るのではなく、迫力ある映画館で観ることと、その時にはぜひ前のほうに座って鑑賞されることをお勧めする。

あとは・・・ディカプリオファンか、もしくは国際スターケン・ワタナベファンの方には見応えあるだろうが、そうでない人にとってはどうなんだろう。上記のとおり私にとっては 星1つ になってしまった。途中で眠たくなるようじゃあねぇ(悲)ラストシーンが夢か現実か、ネット上で議論されているようだが、もうそんなことどっちでもいいや。

少しでも安く観ようと、土砂降りの雨の中レイトショーに出掛けたのだが下のプレデターズに続いて2連敗となったようだ。次回にご期待あれ!




PREDATOR(プレデター)こちらは1987年に制作されたもの

☆☆

最初にお断りしておくが、今回は上記の「プレデター」の話しではない。
これを書いている現在、封切りされたばかりの映画「プレデターズ」に関してなのでお間違えなく。

お断りついでに追記しておくが、シュワちゃん主演で大ヒットした1987年制作「プレデター」は、間違いなく星3つの評価だ。23年経った今観ても色褪せてない魅力がある。これを作ったジョン・マクティアナンという監督は、この作品の成功によって後にこれも世界的に大ヒットした「ダイハード」の監督をしているのも頷ける。

さて、先述したように、最初の作品からもう23年だ。
その間、続編の「プレデター2」に始まって「エイリアンVSプレデター」という愚作を経て、今回の「プレデターズ」である。否が応でも期待大だった。”〜だった”と、書いてしまったらもう評価は自ずと決まったようなものだろう。

何がダメだって?
もうツッコミどころがいっぱいありすぎて、どこから書いていいやら・・・ただ、これから観ようとしている人の邪魔になってはいけないので簡潔に箇条書きすると

・ ストーリーがまったく出来上がってない、無理ありすぎ
・ 地球ではない星にいるというのにそんな程度の驚きで済むのか?
・ 自分たちの置かれた状況がすんなり分かりすぎ
・ 進化版プレデターというわりにはその違いが不鮮明、かつ迫力不足
・ 猟犬とやら、もうちょっとヒネれなかったのか!
・ なんで日本刀ごときでやられてしまうんだ?
・ 最後まで残った医者は何がしたかった?
・ で、どうやって地球に帰る?まさか続編へのフリじゃあ・・・

何度も書くが、23年だ。映像技術だって格段に進歩したはずなのに、1作目を超えるどころかその足下にも及んでないと感じるのは私だけだろうか。
こんな作品に1,800円も払って、封切り初日のそれも一番最初の上映に行った自分が情けない。

よって、怒りや落胆も加味して評価は限りなくゼロに近い 星1つ だ。お願いだからもう続編は作らないでほしい。




フリンジシーズン1

★★

始まってからしばらくは面白かったものの、その後凝りすぎたせいか謎だらけになってしまい、視聴者にイライラ感を与えてしまった「X-ファイル」。特に終盤は落ち込んだ視聴率を取り戻そうと躍起になったのが裏目に出たか、ますます意味不明の展開になってしまった。長いシリーズ番組の宿命と言おうか、アメリカの視聴率第一主義的残酷物語と言おうか・・・。

そのアメリカの良さも悪さもひっくるめて、私は海外TVドラマが昔からお気に入りだ。
古くはテリー・サバラス演じる「刑事コジャック」、ICレコーダーじゃないテープの「スパイ大作戦」、白バイに憧れた「白バイ野郎ジョン&パンチ」、赤いフォード・グラントリノがムチャクチャカッコ良かった「刑事スタスキー&ハッチ」、などなど。

最近では日米で大ヒットになった「24-TWENTY FOUR」を筆頭に「CSI 科学捜査班」や「プリズンブレイク」、「HEROES/ヒーローズ」などが挙げられるだろう。もっとも、今は海外ドラマのオンパレードだ。レンタルショップに行くと、韓流ドラマを含めかなりのスペースを割いている。中には聞いたこともない、もしくは端っから観ようという気さえ起きないような代物もあるが、TVシリーズモノはそれだけ商業的に美味しいジャンルなのだ。

そんな、競争激しいセグメントに大きな前評判とともにやってきたのが今回の「FRINGE」だ。
「LOST」の制作で一躍有名になったJ・J・エイブラムスらの手によるもので、先の「X-ファイル」や映画「未知との遭遇」、「トワイライト・ゾーン」に科学的根拠をイメージさせた「CSI 科学捜査班」の雰囲気など、ヒットするであろう条件を盛り込んだ、ある意味八方美人的満漢全席風?なTVドラマともいえるだろう。

美人FBI捜査官(美しくないといけない!絶対条件だ)オリビア・ダナムが活躍するフリンジチームの物語。同じチームのチャーリーや直属上司のブロイルズ、天才科学者のウォルターとその息子ピーターといった個性派揃いの人物が登場する。

ストーリーは1話完結。先述したようにSF的要素が大きいが、奇々怪々な話しに終始せず人間ドラマも織り交ぜているのが制作側の狙いか。始まってしばらくの間、死んだはずのジョン・スコットが何度も登場して、正直うんざりしていたがシーズン後半はその反省を踏まえてか持ち直した感がある。

今、レンタルショップで借りることができるシーズン1は全20話。
最後の「もう一つの世界」のエンディングはなんとなく想像できたが、次のシーズンへの橋渡しには重要な意味合いを持つのだろう。そのシーズン2は全23話で本国では放送済み。おまけにシーズン3も既に制作決定と、想像するに高視聴率を続けていると思われる。

さて、このシーズン1の評価は 星2つ が妥当なところか。
初期の「X-ファイル」や「CSI 科学捜査班」(注:ただしラスベガス編に限る)のように「あ〜早く次が観たい」と思わせる力が弱い気がするため。これは連続ドラマの命とも言うべき要素だ。
ただ、シーズン2は観ていないのでこの評価は暫定としたい。

この先、新たな視聴者を取り込めるのか、それとも3Dアート文字を空中に浮かせて見た目のインパクトだけを狙ったB級SFモノに終わってしまうのか、シーズン2もしっかり観てやろうではないか。




もどる
直線上に配置