メンタリスト | 127時間 | ウォッチメン | さらば友よ |
復讐するは我にあり | スーパー 8 | ツーリスト | ウォールストリート |
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今までに海外TVドラマを一番長く、一番面白く観たのがCSI科学捜査班だろう。 そのCSI科学捜査班の中でも断然面白かったのはラスベガス版だ。(他にフロリダ、ニューヨークあり) ストーリーは基本的に一話完結、視聴率が高いおかげでTVドラマとは思えないほど映像や製作にお金が掛かっている。どれを観ても外れはない。でも、やっぱりラスベガス版がいい。 制作側の意図だろうが、ニューヨーク版はやはり全体的に画面やストーリーを暗く設定しているようだ。フロリダ版は逆に太陽が燦々と輝いて、青い海と空がとても綺麗ではあるが、いかにもっていうホレイショのサングラスを掛けたり外したりする仕草が鼻に付いてしまう。フロリダで黒いスーツ、暑くねぇ? そんなカッコ優先のホレイショに対して、ビジュアル的にはほぼ正反対ともいうべき人物がラスベガスのグリッソム主任、その人だ。砂漠の街で起きる難事件を、徹底した科学捜査とそれによって得られた証拠から真実を導き出す。今的な表現を用いるなら「泥くさい」やり方を貫いているのが彼のポリシーになっている。 そのずっと観てきたラスベガス版だが、レンタル中のため2枚ほどDVDを飛ばして次を借りたら知らない間にグリッソムがいなくなっていた。恋人だったサラが離れていったのはまだしも、ウォリックまで死んでしまって、当初からいるメンバーも大きく様変わりしてしまった。そのせいだけではないだろうが、急に面白くなくなった・・・。 これはいけない、何か他に代わるものはないかと探して見つけたのが今回の「メンタリスト」だ。 やっと本題に入れる、前フリ長っ!(笑) 題名にもなっているメンタリストとは、読心術やテレパシーなどメンタルマジックを行う人のことらしい。主人公のパトリック・ジェーン(女性っぽい名前だがCBIというカリフォルニア州捜査局に招かれた男性コンサルタント。捜査官の資格はないためバッチも拳銃も持ってない。ズボンではなくいつも上着のポケットに手を突っ込んでいるのがキャラクターの設定上重要)はその能力を使って、過去にサイキックとしてテレビに出演していた。 ある事件後CBIに入った今は、相手の表情や仕草からその真偽を見分けることが出来る能力を駆使して事件解決に貢献している、というのがおおまかなあらすじ。こちらも基本的に一話完結だ。 「米国版古畑任三郎」とも「シャーロック・ホームズの謎解き」とも宣伝文句に書いていたが、サイモン・ベイカー演じるこのジェーンはまさに異色の人物像だ。 それ以上に、彼を生かす仲間のキャラクター設定がとても良い。一歩間違うと、その奇天烈な言動だけが一人歩きする危険性を含んでいる主人公を、うまくオブラートに包んで突出しないように配慮されている。個人的には、Yシャツが破れそうな二の腕をしているチョウ捜査官がお気に入り。 今まで私が借りてくるDVDなんてほとんど興味がなかった長女が「コレ面白い」といって一緒に観るほどの出来に 星3つ を進呈。ただ、先のCSI科学捜査班と同じ過ちは繰り返さないで欲しい。 |
別のコーナーでも書いているが、転勤したおかげで待望の映画館通いが随分と楽に出来るようになった。今まで映画館へ行くのに一部高速道路を使って1時間も掛けて行ってたことを考えると何とも恵まれた環境になった。 そのこと自体はたしかに喜ばしいことだ。 ただ、私が気に入らないことがあって、今どきの映画館って大抵の場合入るときに自分が座る席を申告(予約ともいう)しないといけない。都会では当たり前のシステムなのだろうが、田舎者の私にはこれがどうも馴染めない。 百歩譲って、他の人とあまり近い席にならないようにしてあげようという親切心と理解すればそれもある程度理解できるが、ガラガラの館内で果たして事前申告が必要なのか? 今回はそんなガラガラの館内で観た作品、127時間をご紹介しよう。 ちなみに私の他にはカップルが2組ほどしかいなかった。まさに貸し切り状態(悲) 最初に、これから観に行こうとしている方はご注意を。 この作品はホラーでもスプラッターでもないが、終盤には結構グロいシーンが出てくるので、血を見るのが苦手な方はご用心を。 これは一種のパニックサバイバル映画だろう。 スパイダーマンのジェームズ・フランコが演じるあるロッククライマーが、ユタ州の渓谷で大きな岩に右腕を挟まれ、動けなくなる。題名の127時間というのはその時から彼が味わう恐怖や絶望、幻想や回想をする時間のことだ。 作品の大部分をこのシーンで占めているので、はっきり言って幅が広がらない。でも、そんなことは制作側も十分分かっているようで、映像を巧みに駆使して死を目前にした人間の感情を上手く表現しているように感じた。この点だけで 星1つ を稼いだ。 衝撃の結末が!とか書いていたが、まあそうなるだろうな・・・という展開にしかならなかった(注:これはノンフィクション映画だ)ので衝撃なんてまったくない。 この意外性のない終わり方と先述したグロい場面を許容できる方はドーゾ。 |
今回のウォッチメンはアメコミが原作、そうアメリカではよく知られているらしいヒーローモノを映画化した作品だ。個人的にはアメコミのファンではないので、ヒーロー達をよく知らない。知らないけど、ある意味ではなかなか面白かったのでご紹介しよう。 そもそも時代背景は1985年前後らしいが、多少現実とは違っており東西冷戦はあるもののベトナム戦争ではどうやらアメリカが勝っちゃったようになっている。現実ではあれだけ手こずったベトコン達を半透明の青いDr.マンハッタンが粉々に粉砕するシーンもあって、何やらアメリカ人の特別な感情が織り込まれているのを感じたのは私だけだろうか。 作品中、神のような存在として扱われているその青白半透明全裸男ことDr.マンハッタンだが、ラストでは結構なことをやってくれる。「え、そうするの?」みたいな・・・ネタバレになるのでこれ以上は書かないが、そんな能力があるのならさっさと問題を解決しろよとだけ言いたかった。 話が前後してしまったが、ヒーローの一人がある日何者かに殺害されるところから話しが始まる。スマイルバッチに血痕が付着しているシーンが幾度となく出てくるが、それはこの時殺害されたコメディアンというヒーローが身につけていたもの。 映画の紹介文では、この事件を解決すべく残りのヒーロー達が結束して悪に立ち向かう・・・みたいなことを書いていたようだが、実際にはかなり違う展開となっている。仮にそうだったとしたら星は1つ、もしくはゼロだっただろうし、このコーナーにも取り上げてなかっただろう。 ヒーローといえども結構、人間くさい感情やドロドロとした関係があって「まああんなヤツだったから殺されても仕方ないよな。」なんていう、おおよそヒーローモノには想像できないような展開が待っていたりして。それに、いくらエロいコスチュームを着けているとはいえ仲間であるヒロインをレイプしようとするヒーローててアンタ!日本じゃ絶対考えられない設定だ。 冒頭で「ある意味では〜」と書いたが、こういったあり得ない展開や設定があったからこそだ。正義ってなんだ?という哲学的問い掛けもある。 ただ、ご注意頂きたいのは本編の長さがなんと163分もある。ざっと3時間!次の予定時刻を考えてから観るようにご忠告しておこう。「300(スリーハンドレッド)」のザック・スナイダー監督作品なので大画面でどーぞ。 星2つ をロール・シャッハに捧げたい。 |
とっても男臭い作品だ。 昔から二枚目俳優の代名詞だったアラン.ドロン主演の作品だが、カッコイイ彼の魅力が霞むほど共演のチャールズ.ブロンソンからムンムンとその男臭さが漂ってくる。 外人部隊から帰還したA.ドロンに、ある女性が依頼をする。自分が横領した債券をクリスマス休暇の間に会社の金庫に戻して欲しいという。(まあこのあたりの設定がストーリーに無理を及ばしている原因ではあるが) 一方、なぜかそのA.ドロンに関心があるC.ブロンソンは彼の行動を調べ会社に潜入することとなった。金庫の中には大金があるとの情報をつかんだC.ブロンソンだが、肝心のダイヤルの組み合わせが一部分しか分からない。仕方ないので交代で金庫の番号を順番に試すことに。 なんともローテクな話しだが、その最中に二人とも誤って金庫室に閉じ込められてしまう。このまま休み明けの朝に捕まることを覚悟した二人だったが、C.ブロンソンの機転で・・・ この時点で既に本編の半分は経過しているが、題名にもなっている”さらば友よ”の台詞を言うカフェでの名シーンはこの後だ。ちょっとカッコ良すぎじゃない?シビれるねぇ〜男の生き様を見せてやろうっていう想いがビンビン伝わってくる。 ちなみに、そんなに苦労して開けた金庫の中に何があったかは内緒にしておこう。そんなことは些細なことだから。 それよりも、上の画像は結局捕まって連行されるC.ブロンソンにA.ドロンが黙って火を付ける、これまた有名なワンシーン。俳優としての晩年は決して恵まれていたとは言えないA.ドロンだが、少なくてもこの時期は後によく比較されるジャン・ポール・ベルモントよりも輝いていたと思う。 1968年製作のフランス映画。高島忠夫さんも絶対この作品を観たはず? ほとんど星3つに近い 星2つ でイエ〜イ! |
ここしばらく、DVDではなく映画館での作品が続いてしまったが、今回は珍しく邦画をDVDにてご紹介しよう。 製作年度が1979年と古いし、日本映画界では有名な作品なので誰もが一度は題名を耳にしたことはあるだろう。私も初めて観たのはもう10数年も前だ。 まあ一言で表現するなら強烈なインパクトがある作品だ。主演の緒形拳の存在感もさることながら、三國連太郎や小川真由美、清川虹子に倍賞美津子、それにフランキー堺といった脇を固めている俳優陣が凄い。 5人を殺し、全国を逃げ回る間も行く先々で詐欺を重ねる榎津厳。彼の生い立ちと人間としての尊厳、敬虔なクリスチャンの父に対する反抗心や女性へ対してのあからさまな感情など、これでもかというぐらい人間の本質に迫ってくる。 作品前半は殺人鬼としての狂気が描かれているが、逃亡が続く後半になって安宿の小川真由美や清川虹子とのやり取りが始まった頃からどんどん榎津厳という人間性の描写に重点が置かれるようになる。決してスプラッター映画さながらの殺戮だけで終わらない点が重要なポイント。 DVD版だけの問題なのかもしれないが、音声に一部聞き取りにくい(現代では表現に問題あるためか?)箇所があってちょっと残念だが、仮にミュートで映像だけを観たとしてもその凄さは十分に伝わってくるはずだ。 佐木隆三の同名ノンフィクションを、あの今村昌平監督が映画化した逸品。滅多に邦画を観ない私が強くオススメする作品だ。素晴らしい俳優、緒形拳に 星3つ を捧げたい。 今どきの軟弱な日本映画にこれだけのモノを作れるか? |
前評判は高かったが、いざ封切りしてみると尻すぼみ、って作品は多い。 今回紹介するこの「スーパー 8」という作品も「早くも今年度最高傑作!」なんて謳っている時点で、どうせその類だろうと正直言って期待はしてなかった。 お〜上等だ、この野郎、それだけ大口叩いていながら面白くなかったらこのページでけちょんけちょんにこき下ろしてやるぞぉ〜てなもんで、期待はしてないまま封切り翌日に観に行った。 例によってレイトショーにて。余談だが、映画館が近くになってとっても楽。 ストーリーは、はっきり言って大したことない。 何を書いてもネタバレになってしまうので別の切り口から紹介すると、S.スピルバーグ製作総指揮、JJ.エイブラムス監督の作品と言えば・・・そう「E.T」あり「クローバーフィールド」あり「LOST」あり、そして時代背景が1979年というスリーマイル島原発事故が起きた頃のお話なので「スタンド・バイ・ミー」的雰囲気も織り交ぜながらの仕上がりとなっている。 評価が低かった人はおそらく純粋なSFモノ、それもエイリアンが町をグチャグチャにして大暴れ!というのを期待していたのだろうが、この作品にそういうのを求めてはいけない。(一部あるけど) それよりも子役達の演技の素晴らしさを褒め称え、オジサン達は遙か昔に体験した甘酸っぱい記憶を蘇らせようではないか。期待してなかったわりにはほぼ3つに近い 星2つ というところで。減点はエイリアンの設定にあり。 そして、エンドロールの際に流れるゾンビ映画は、この作品に携わった人達が子供の頃から本当に映画好きだったことをうかがい知ることができる逸品になっている。是非とも最後までご鑑賞あれ。 |
しばらくは自分の目が信じられなかった。 3/11、東日本大震災による被害を伝えるテレビの衝撃映像に対してだ。 じつはこの地震の時、首都圏近郊にいたので揺れの大きさは体験している。過去に阪神淡路大震災の時も香川県で遭遇しているが、揺れの大きさや時間は圧倒的に今回のほうが大きく長かった。 月並みではありますが、被害に遭われた方々には本当にお見舞いを申し上げます。 こんな非常時に映画なんて、と思われるかも分からないがこれを観たのは震災の二日前3月9日だったので、その点はご了承頂きたい。 ストーリーとしては、組織の金を持ち逃げして逃亡中(整形したため現在の顔は不明)の元彼からの指示で、背格好がよく似た男性を選びベネチアまで来るようアンジェリーナ・ジョリーに連絡が入る。途中、列車の中で選んだ男がジョニー・デップというところ。 彼を追う組織から間違えられた”ただのツーリスト”に降りかかる災難と彼女との間に展開されるラブサスペンスが見どころなんだろうが、星の数から分かるようにまったく退屈な作品になっている。 ストーリーの裏話なんかより、この作品はアンジェリーナ・ジョリーの魅力に男どもがみんな振り返って「あ〜いい女だなぁ」感をこれでもか!と伝える、一種のプロモーションフィルムに成り下がっている。 ネタバレ防止で詳しくは書かないが、サスペンスという割には最後の結末は容易に想像できるところも情けない。よって、高い交通費を払って遠方の映画館まで行ったことも加算し 星0 の大罪としよう。 |
何かがシックリこない。 見終わった後に爽快感が味わえる作品もあれば、この映画のように何やらモヤモヤしたものを感じさせる先品もある。いや〜映画ってホントに難しいんだなぁ。 今回の作品は23年前に公開された「ウォール街」(邦題)の続編で「ウォールストリート」だ。 マイケル・ダグラス演じる伝説のカリスマ投資家ゴードン・ゲッコーが、インサイダー取引の罪で服役していた刑務所を出所するシーンから映画は始まる。所持金はなく迎えの車も来ないなど、かつてウォール街を手玉に取っていた男の面影はない。 そのゲッコーの娘と婚約しているのが、上の写真の左に写っているジェイコブという若き投資家。シャイア・ラブーフとい俳優らしいが、なんとも頼りない風貌だと思っていたら実は結構な大作に出ていた。超駄作だったインディ・ジョーンズ4作目やトランスフォーマーなど。どちらも観ているが印象は残ってない。 そんな影の薄い彼よりも、この作品の中でひときわ光っていたのが中央に写っている悪顔ジョシュ・ブローリンだろう。私が最高に気に入った「ノー・カントリー」(*DVDのページ5を参照)では200万ドルを抱えて、執拗な殺し屋から逃げるルウェリン・モス役を演じている。 ストーリーとしてはジェイコブの恩師であり父親的存在でもある勤め先の社長が、ブレトンにハメられて破滅し自殺する。その仇を討つために、以前時代の寵児と持てはやされたゴードン・ゲッコーの力を借りようと彼に近づくが・・・前作ではチャーリー・シーンとの男と男の対決に重点を置かれていたが、今回は彼とその娘ウィニーとの人間関係が物語の中で大きく影響しているのが特徴。 一見、とても面白そう、予告編は(笑) ネタバレにならないように注意してダメ出しをすると ・ みすぼらしい出所姿から金融界に復讐するゲッコーを期待したがまったく迫力不足 ・ 先述したように娘とのこじれた関係の修復がイマイチ、特にラストはなんだアレ! ・ 娘のための隠し資金という設定、後で取って付けた感じが否めないぞ。 ・ 前作ではギラギラ感満載だったゲッコー、年を取ったら狡猾度を増してほしかった。 冒頭に書いたように、見終わって何かがシックリ来ない作品だ。 面白くないことはなかったが、残念ながら 星1つ が妥当。付け加えるなら予告編で流れる「この2時間はアナタの資産になる」っていうフレーズ ← シバいたろか! |