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崖っぷちの男 キラー・エリート スリーデイズ ドライヴ
アジョシ HOME 愛しの座敷わらし バトルシップ ジョン・カーター 3D
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女性刑事リディアを交渉人を指名する

★★

またしても公開初日のレイトショーで鑑賞した作品をご紹介しよう。
この作品、作りがうまい。いや、それは本編ではなくて予告編のこと。予告編を観てから本編を観た方なら私が言わんとしていることが分かって頂けるのではないだろうか。

2年前にアルバイトをしていた最中(米国では警官のアルバイトが許可されているんだ・・・知らなかった)30億円相当のダイヤ強奪事件に巻き込まれて、犯人の汚名を着せられてしまうニック・キャシディ。冤罪のまま刑務所に服役していたが、弟らの協力で脱獄に成功する。逃走せず、彼が向かった先はニューヨークのとあるホテルの21階だった。

投身自殺を図る姿を通行人に見せ、あとは警察やレスキューが駆けつけるのを待つだけ。元警官は交渉人に女性刑事のリディアを指名する。リディアはただの自殺ではなく、別の何かがあるのでは?という疑惑が湧いてくるが強行突入の時間が刻一刻と迫ってくる。そして、向かいのビルでは・・・。

まあ、予告編でバラされているので書いてもかまわないと思うが、向かいのビルでは罠にはめた不動産屋のダイヤを盗むべく、弟と凄くセクシーな恋人が金庫室に侵入しようとしている。金庫室の前まで来て、いったん服を脱いで下着姿を披露するのは明らかに男性へのサービスタイム。もしこれがDVDならスローモーションで観たいぐらいだ。

ここから先は、ネタバレに繋がるので書かないでおこう。
ただ、惜しむべきポイントは大きく分けて二つある。一つは金庫を破る工程の緻密さとハラハラドキドキ感が足りないのと、もう一つは後半〜ラストへの詰めの甘さだ。もう30分追加して、そこらへんの肉付けをするともっと素晴らしい作品になると思われるだけにとても残念だ。

ちなみに主演のサム・ワーシントンって人、どっかで見たことあると思いきや「タイタンの戦い」や「アバター」の主演の人だった。崖ならぬビルの縁からジャンプするあたり、アバターの片鱗を見せてもらったような気が・・・もっとも、顔は青くないけどね(笑)
評価は星1つが妥当なところだが、美人刑事リディアの働きと、生唾ゴックンボディを披露してくれた弟の恋人のおかげで 星2つ に格上げしよう。




キラ・エリート、オマーンでのラストシーン

☆☆

特別な事情がない限り、私が映画館に足を運ぶのはレイトショーと決まっている。
始まる時間が時間だから、当然家を出るときには家内や子供たちも家に居る訳で、私が映画を観に行くことを知っていることになる。なので帰宅すると「どうやった?」と興味本位に感想を求められる。

まあ、感想たってここで書いているような詳細な内容ではなく、要は「面白かった」か「面白くなかった」かの二者択一方式だ。自慢じゃないが映画館での打率、つまり”面白かった率”は3割にも満たない。

妻 「今日はどうでした?」
私 「う、う〜ん、ヤラれちゃったねぇ〜(笑)」
娘 「お父さん、いつもハズレやね」
私 「いつもじゃないやろ、たまには面白かったって言ってるでしょ?」
娘 「たまにかよ!」
という、まるで”さまぁ〜ず”の三村のようなツッコミを入れられ、家庭内の立場はますます弱くなっていくのであった。

冒頭から期待大のシーンが展開する。
メキシコで暗殺の仕事をするジェイソン・ステイサムとロバート・デ・ニーロ。一応仕事はやり遂げたようだが、車に同乗していた子供を始末できなくてジェイソン・ステイサムは足を洗う決意をする。
その後オーストラリアで隠居生活?をしていた彼の元にロバート・デ・ニーロが捕まっている写真が届く。失敗した彼の任務を引き継がないと彼は殺害されると・・・。その任務とは息子を殺したSAS(英国特殊部隊)隊員3人から自白を引き出した上で、事故に見せかけて殺害するという、普通に考えたら「そりゃ無理やろ」という無謀な依頼。

期待させた冒頭以降、小さい盛り上がりは見せるもののその後うまく片付けられずに乱雑なまま終盤に。クライヴ・オーウェンとは数度のやり取りがあったのでともかく、ロバート・デ・ニーロの出番があまりにも少なすぎる。宣伝用に使われたのか?と疑ってしまうほどジェイソン・ステイサムのプロモーションビデオになってしまっている。

超一流の殺し屋、世界最高とも言われてる特殊部隊SAS、部族から追放された元長老、フェザー・メンと称される秘密結社など、用意された材料は決して悪くないのだが、その使い方がとても残念。 星1つ で十分だろう。




スリーデイズ

★★★

いや〜予想に反して面白かった。というのも、○○○デイズって題名は結構な数があるけど、どの作品もイマイチだから。お気に入りのラッセル・クロウ主演作品とはいえ、フランス映画のリメイク版だからまあソコソコだろうと思っていた私がバカでした、と・・・。

ごく普通の大学教授であるラッセル・クロウは妻と子供の3人で幸せに暮らしていた。だが、突然警察が家に押し入り、妻を殺人容疑で逮捕してしまう。妻の無実を信じ、顧問弁護士と共に奮闘するが証拠はどれも彼女が犯人だと示す物ばかり。最後にはその弁護士もあきらめてしまう。

それから3年、新しい証拠も見つからず刑が確定してしまい、それを知った妻は絶望から獄中で自殺未遂を図る。幸い一命は取り留めたが、君の人生を取り戻してみせると彼女に約束した彼は、なんと脱獄計画を練ることに。ただ、移送が3日後に迫っており、時間や資金がギリギリの状態で取った彼の行動とは!

単純な脱獄モノではないのがいい。もちろん後半部分から始まる、妻を病院から連れ出し逃走を開始してからの展開は文字どおりハラハラドキドキものだ。執拗に追ってくる警察との駆け引きも見どころの一つ。特にラストで”何処に向かったのか”を分からなくする辺りはよく考えられている。

でも、この作品の本質は誰もが感じるとおりズバリ「家族愛」に他ならない。先ほど、後半部分から始まる逃走・・・と書いたが、前半部分はその布石となる。なので、ちょっと前フリが長すぎる気もしないではないが、登場人物それぞれの感情(特に男の子の表面に出ない感情)を表現するにはこれぐらい時間を割かないといけないのかも知れない。

ネタバレになるので詳しくは書かないが、大学教授が偽造パスポートを手に入れようとしたり、マイホームを売ったお金を受け取れないから他の手段で資金を調達しようとしたりする件は、多少強引な感じがするものの(どれもうまくいきすぎ)個人的には息子の計画を知っても無言で抱きしめてあげたおじいちゃんの存在が一番大きいと感じた。

邦画にありがちな、いちいちセリフで説明する無駄なシーンは一切ないので映像に集中しよう。
ラッセル・クロウの出演作品にまた名作が追加された感じがする。
星3つ で2時間越えも問題なし。




なぜかとっても強いドライヴァー

☆☆

下の欄で紹介した「アジョシ」の主人公はラストシーンで一度だけ笑顔になる。他に笑う場面はない。
今回ご紹介する「ドライヴ」の主人公は、ニコニコ笑顔を振りまくが全編を通してセリフがメチャクチャ少ない。同じように寡黙な男という設定を表現しているのだが、アプローチの仕方が違うことにご注目。

さっさとストーリーをご紹介するが、表向きは自動車整備工、バイトでカースタントをやっている主人公をライアン・ゴズリングが演じている。彼のもう一つの顔は強盗の逃がし屋だ。犯罪そのものにはタッチしないが、文字どおり現場から逃走し警察の追っ手を撒くプロだ。

いい仲になった同じアパートの女性のダンナが出所することになった。刑務所内で作った借金返済のために逃がし屋をすることに。だが、狙った質屋には予想をはるかに超える巨額の現金が・・・それは手を付けてはいけないマフィアの隠し金だったのだ。ここから血みどろの闘いが始まっていく。

というのが、おおまかなストーリーだ。カーアクションに犯罪モノを加えた期待大の作品だったのだが・・・。
ツッコミどころは今思い返しても両手で足りないぐらいある。いちいち書かないが、他の例えでその残念度を表現するなら、具材もスパイスも一流で調理法も本格的、時間もタップリかけて誰が作ったとしても旨いカレーライスが出来るはずなのに、なんでルーの色をわざわざ緑色にするかなぁ〜というガッカリ具合、分かります?(笑)

題名から推測されるカーチェイスを期待して観に行ってはいけない。逃がし屋といっても冒頭のシーンだけで、バイトのスタントに至ってはパトカーが横転するシーン1回こっきり。救いは私の大好きなフォードマスタングとクライスラー300Cのカーチェイスがあったことだけ。ただ、それもすぐに終わるけど。

年式はまったく違うけど、同じフォードマスタングを使って痛快なカーチェイスを見せてくれたスティーブ・マックィーン主演の「ブリッド」や、これでもかというぐらいイエローのマスタングが暴れまくる「バニシングin60」などの足下にも及ばない駄作っぷり。
R15になった故の残酷なシーンも手伝って本編では星ゼロの評価が妥当。それを
星1つ に格上げしたのはマスタングのドロドロというV8サウンドのおかげ(?)だ。

アメ車イコールV8エンジン。相変わらずカッコイイフォードマスタング シボレーシェペル。冒頭では同じくシボレーインパラが登場する




アジョシの劇場用ポスター

★★★

そんなに日本の市場がオイシイのか、次から次にやってくるK-POP勢。
男性はみんな日本のアイドル顔負けのイケメンだし、女性陣といえば顔はもちろんのこと、スタイル抜群で長い足を惜しげもなく魅せて腰をフリフリ・・・。

そんなK-POPも、世のオバさま達の心を掴んで離さない韓流ドラマとやらも、まったく興味のない私だが、こと韓国映画には一目置いている。定番とも言える「シルミド」や「シュリ」「ブラザーフッド」などは韓国映画に興味のない人も一度は耳にしたことがあるだろう。日本語を話しているくせにモゴモゴ聞こえて、字幕が欲しいと感じるようなレベルの低い邦画より、遙かに優れた作品がこの他にも沢山ある。

今回ご紹介するのは、そんな韓国映画の中でも名作の一つとなった「アジョシ」という作品だ。
アジョシとは韓国語で”おじさん”という意味らしい。とてもおじさんには見えないイケメン俳優ウォンビン主演の魅力満載の、というより、まるで彼のためのプロモーションフィルムみたいな作品になっている。
といっても、一昔前の韓流ドラマで一躍有名になったナントカっていう俳優みたいに終始安っぽい笑顔を振りまくような作りではないのでご安心を。

過去に何があったか、今はひっそりと質屋を営むテシク。隣に住む女の子からはアジョシと呼ばれて仲が良かった。ある日、麻薬のトラブルでその女の子と母親が組織に誘拐されてしまう。相手は人間を商品扱いしている臓器売買の組織だ。封印していた超人的な能力を発揮し、母子を救出すべく組織に立ち向かっていく。警察が捜査線上に浮かんだ彼の身元を調べると、そこには驚くべき過去が・・・。

始まってからしばらくの間は、端正なマスクを敢えて隠すようにボサボサのヘヤースタイルをしているが、カミソリで短髪にカットしてからの彼はとてもカッコイイ。世の女性達がメロメロになるのも頷ける。それに、共演してる子役も素晴らしい演技をしている。「冬の小鳥」で絶賛されたキム・セロンという子らしい。ラストシーンでの二人のやり取りは涙なしには見えないはずだ。

一応爆破シーンも銃撃戦もあるが、基本的に彼は格闘技とナイフで敵を殲滅する。ここらへんが見た目の派手さ重視のハリウッド映画や香港映画と違う点だろう。
その似通った大筋から「レオン」や「96時間」と比較されているが、韓国映画独自のスタンスを確立させていると思う。ただ、ちょっとしたスプラッター映画並のシーンやグロい映像もあるので、それが苦手な方はご用心を。

結末はもうちょっと幸せ度を高くしてもらいたかったなという思いもあるが、完成度の高さは韓国映画の中でもダントツだろうと感じた。よって文句なしの 星3つ としたい。

壮絶なラストシーンの一場面、防弾ガラスに向けて




HOME愛しの座敷わらし、みんながその存在を感じるシーン

★★★

ほとんど邦画を観ない私が、珍しく映画館に足を運んだ作品が今回の「HOME 愛しの座敷わらし」だ。
それもレイトショーとはいえ、公開初日にだ。白状するがコレ、結構前から楽しみにしていた作品である。

ストーリー自体は奇想天外なことも起きず、ごく普通に家族の物語が淡々と進んでいく・・・といってしまえば語弊があるだろうか。その前に、この映画は荻原浩の小説「愛しの座敷わらし」を映画化したものということを最初にご紹介しておこう。

水谷豊は東京に本社がある食品会社で商品開発をしていた課長役。ざっくり言って、盛岡へ左遷されたため家族も引っ越すことになったが、借りた先は市内のマンションではなく築100年だか200年だかの古い古民家だった。ここには以前から座敷わらしがいることが近所では周知の事実だということが後に判明する。

当初は家族みんながそれぞれに悩みを抱えていて、バラバラになりかけていたのがその座敷わらし騒動のおかげで?家族の絆を取り戻すことが出来る、という、まるで学校の道徳の時間に出てきそうないい話である。
だから最初から最後まで”ほっこり”できる作品になっている。

ほっこりできるのはそのストーリーのせいだけでなく、キャスティングが良かったのか奥さん役の安田成美やお母さん役の草笛光子などが良い味を出している。その中でも特に、息子役をした子役の演技が素晴らしかったと感じた。本来の主人公である座敷わらし(勝手に六ちゃんと命名されたが)は一言の台詞もなかったが、それが逆に良かった。欲を言えばもう少しぼんやりと映像化したらもっと座敷わらしっぽく感じることが出来たとは思うが。

この作品は全国の同じような家族を持つ中高年のサラリーマン諸氏に是非観て頂きたい。胸にジーンとくるものがあるはずだ。今回は家内が水谷豊のファンなので一緒に観に行ったが、二人とも泣いちゃったな。特に囲炉裏を囲んでお父さんが家族に対する想いを語るときなんて・・・。

ほっこり度をもう少し上げるなら、最後は東京に戻らずそのまま古民家に住み続けてもらいたかったなと思ったが、それは逆に出来すぎになるか?東北の初夏から秋の間だけの話しって、いいとこ取りのような気もするが。

まるで往年の寅さん映画さながらの、冒頭から壮大な自然をスクリーンいっぱいに映し出すというオープニング、結構好きだ。
よって、他のレビューでは厳しい意見が多い中、私は敢えて
星3つ としたい。

岩手県の素晴らしい風景 囲炉裏は自然と人が集まる




バトルシップ

★★

今回は下の段で書いたように「ジョン・カーター」とカブってしまった「バトルシップ」をご紹介しよう。

この作品をざっくり表現するなら「世界侵略ロサンゼルス決戦」や「インディペンデンスデイ」同様、エイリアンによる地球侵略モノとなるだろうが、じつはちょっと違うイメージを受けた。

そもそも彼らからしたら宇宙の辺境とも言える地球くんだりまで来たのは、人類が勝手に発信したメッセージを受けてのこと。それに香港が壊滅的被害を受けた、というのも通信衛星に衝突しちゃったので(高度な技術を持つ彼らがそんな初歩的ミスをする設定自体に無理があるが・・・)その破片が降り注いでしまった結果であるし、駆逐艦が攻撃を受けたと騒いでいるのも駆逐艦のほうが先に大きな音を出したからそれに応えただけの気がする。

つまり、侵略モノといいつつ従来エイリアンが持っている悪者イメージを全面に出してはいない。

本当の侵略というのは、大国が小国を丸ごと飲み込んだり、多数民族が少数民族の血を絶やすべく民族交配を国家レベルで推し進めたりする地球人のほうが得意技と言える。この作品でメインになっている米国海軍、つまりアメリカ合衆国そのものも、先住民の地を無理矢理奪った侵略者と言えるのではないだろうか。

制作側がどういう意図でそうした設定にしたのかは不明だが、この作品には他にも気になる点がある。
舞台が真珠湾であったり、日本海軍(一応自衛隊という設定にはなっている)が戦友だったり、最後にはあの戦艦ミズーリが出てきたり・・・ミズーリといえば日本を屈服させた降伏調印式を行った戦艦だぞ。なんの意図もなく、こういった要素をちりばめたとはとても思えない。

そういった偏屈な見方をせず、純粋に作品を楽しもうとしてもこの手の作品にありがちなツッコミどころは満載だ。いちいち書いていたらキリがないぐらい。
この作品は3Dではなく通常の2Dで観たが、それでも迫力はあった。家のテレビではなく是非ともスクリーンでその迫力を味わいつつ、数多くのツッコミを入れて欲しい。

始まって約30分ほどのグダグダ展開はまったくもって不要。チキン・ブリトーって、そんなに美味しい物なのか?本来なら評価は星1つが妥当だろう。ただ、日本人びいきと批判されることを承知で、準主役級の扱いを受けていた浅野忠信に免じ、またまた甘ちゃん評価の
星2つ としよう。




逃げるジョン・カーター。舞台は火星。

★★★

2012年、やっと春休みが終わってくれた。
子供向け作品が多かった映画も、これで一段落。やっと、オトナの時間が始まってくれて嬉しい。

というものの、いきなり観たい作品がカブってしまった。今回の「ジョン・カーター」と「バトルシップ」だ。どちらも甲乙付けがたいが、3D版の上映時間がタイミング良かったこの作品に決定。

じつは映画館での3D体験はこれが初めて。あのウザイ眼鏡をかけないといけないのと、何より割増料金が勿体ないから今まではずっと2D作品のほうを選んで観ていた。眼鏡のほうは”ミッション:インポッシブル”に出てくるカッチョ良いサングラスタイプだったのでヨシとしよう。でも、3D料金と眼鏡のレンタル料で計400円も余計に取るのはどうなんだろう。せっかく、安いレイトショーを選んで行っている意味があまりないような・・・。

料金の話しはともかく、3Dだからというわけではないがこの作品、意外(?)にも結構楽しめた。
舞台は現地でバルスームと呼ばれている火星だ。海はないが、水も大気もある。重力が地球の約半分ほどしかないため、超人的なジャンプ力を発揮できる。ただし、いささか飛び過ぎの感は否めないが(笑)。

ストーリーは騎兵隊のジョン・カーター大尉がそんな火星にワープして、民族戦争で大活躍するお話・・・あれ、そうじゃなかったっけ?まあ、簡単に言うとそういう設定になっている。

予備知識がなければ、出てくるキャラクターやストーリーから「あぁ、またスター・ウォーズやアバターのパクリね」と誤解するかも知れないが、この原作はなんと100年も前に作られた「火星のプリンセス」というSF小説。ジョージ・ルーカスやジェームズ・キャメロンにも影響を与えたというから、間違いなくこちらが先駆者だ。

ストーリーは大方の予想どおりの展開で、大どんでん返しみたいなことは最後まで起こらない。映像だってアバターの時みたいに衝撃的な作りではない。(余談だが、アバターをテレビで観ていたが退屈で1時間も我慢できなかった。これが世界中で大ヒットした理由が未だに理解できない)

不幸なことだがこの作品が有名になったのは、米国での興行成績が記録的な大赤字になったニュースのせいだ。一説によるとその額、150億円とも200億円とも言われているそうな。たしかにツッコミどころはいくつもあるし、ユーザーレビューとかを見ても厳しい意見が多数を占めている。でも、それほど駄作ではなかったけど。

積極的に3D版を勧めるほどではないが、赤茶けてない!火星(どうもトータル・リコールのイメージが強すぎて・・・)を舞台にピョンピョン跳ねるジョン・カーターを楽しむならやはり3D版のほうがいいかも。
それよりも奇妙な生物が目白押しの中、ウーパールーパーに似た大山椒魚のような体型で、それでいて異様に足が速いブルドックみたいな”ウーラ”とかいう犬(?)にご注目。私はこの作品の中で一番のお気に入りだった。

最後まであの「ハムナプトラ」に出てくる”イムホテップ”似の存在と、第9光線とやらが理解できなかったが、愛くるしいウーラに免じて大甘評価の
星3つ としよう。こんな犬なら飼ってもいい。

光を動力にして飛ぶらしい




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